意識を集中しても、気配をほとんど感じなかった。
それはナルトにとって珍しいことで、純粋に彼らの実力に驚く。
気配の隠し方だけを見れば、木の葉のどんな暗部よりできていた。
もっともそうでなければ我愛羅の護衛なんてできるはずもない。
「いまさら許してもらおうとは思ってないよ」
テマリが言う。
それは我愛羅のことだ。
幼い頃、味方になってやらなかったから。
姉と兄は、今の我愛羅にそれなりに責任を感じているらしい。
「でもそれって仕方の無いことだってばよ」
「お前はそう思えるのか?」
「……思わないと、辛い」
だいたい、とナルトは呟く。
「仲悪そーだったってばよ」
「我愛羅と仲がよかったらこっちが消されるじゃん」
そう言ったのはカンクロウだ。
「それでも我愛羅には必要だったんだ。隣に居てくれるだれかが」
ナルトは思う。
俺には誰が居たのだろうと。
少なくとも三代目のじゃっちゃんがいた。
思えば彼が守っていてくれた。
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