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 いのからリボンをもらってから数日後、課外授業があった。
 いのとサクラはいっしょになって課題に取り組んでいた。
 サクラが目当ての薬草をみつける。
 それを摘もうとした瞬間、ガサッと音がして花が踏み潰された。
「あ!」
 サクラは顔をあげる。
 そこにいた人物に見覚えがあった。
 前はいつも一緒にいたはずの、いのの友達だった。
「なにやってるの、いの」
 呆然としているサクラを無視して、彼女は言う。
「サクラなんかと遊んだら、私たちもいののこと仲間外れにしなくちゃならないじゃない」
 サクラはそんなことがあるんだと驚く。
 同時に誰も助けてくれなかったことに、合点がいった。
「いの……やっぱり私……」
「勝手にすれば?」
「なっ!」
 彼女は口をぱくぱくとさせる。
 いのの言葉をまったく予想してなかったらしい。
 サクラもその子と同じくらいに驚いていた。
「あ、あとで仲間に入れてくれったって、知らないからね!」
 そう捨て台詞を言うと、彼女とそのとりまきは去っていった。
 いのは余計なお世話ですよーとあっかんべーをしている。
 サクラは取り返しのつかないことをしている気分だった。
 ねえ、といのに声をかける。
「本当によかったの? ねえ今からでも間に合うと思う。だから、」
「なによ」
 強めの口調に、びくりと体が震える。
 それをみて、いのはなにかを考えるかのように黙り込む。
「……うん、よく考えるとそうだよね。なにもあんたの味方していいことなんてなにもないもんね」
 目に涙が浮かぶ。
 うわ、最悪だ。自分で言っておいて、ショックを受けるなんて。でも。
「そうだよ……多分、それが一番いいことなんだよ」
 それだけ呟いた。
 サクラは泣きそうなのをさとられないよう、うつむきながらいう。
 泣くのはやめようと決めたはずなのに。
 泣き虫なのは簡単に直らない。
「バーカ」
 その罵倒は今まで受けたものとは全然別物みたいに暖かいものだった。
「私が誰と仲良くなろうが勝手。それだけで友達じゃなくなるんだったら、それだけだったってことよ」
 そこでいのはサクラのほうに歩み寄る。
「でも仲間外れにされようものなら、もちろんあんたのせいよね」
 いのはあのときのように、手をさしのばした。
 にたーといのは笑う。
「だから責任とって私の親友になりなさい」
 サクラはうん、と頷いて彼女の手を取った。

珍しくスレてません。あるいはスレいのだけどあんまり関係ない。
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