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 姉であるヒナタの様子がおかしいと気がついたのはいつだろうか。
 ハナビが今よりもずっと幼いころから変わらない強さはいつも不思議に思っていた。
 姉さんは修行をサボっているわけでもなく、落ちこぼれであるはずもない。
 その理由に思い当たった瞬間、ハナビの集中力が途切れた。
 チャクラの制御が足の裏から拡散して、体が落下する。
 地面に着地する瞬間、ハナビは態勢を整え着地した。
 木の傍には稽古の教育役であるネジがいる。
「ハナビ様、お怪我はありませんか?」
 大丈夫ですと、ハナビは答える。
「今日は調子がよくないみたいですね」
 ネジはそういって額に手をやる。
 ハナビはそれを振り払うと、言った。
「私、強くなりたくないです」
 ネジは珍しく困ったような顔をした。
 そして彼はハナビに視線を合わせる。
「そう望んでいるのは」
 理由も聞かずにネジは答える。
「あなただけではないってことですよ」
 それを聞くとハナビは顔をあげ、再びうつむいた。
 私はバカだ。
 一番弱いくせに、みんなに認められているつもりで、ただ守られているだけなのだと。
 それが悔しくて、悲しくて、涙がでた。

守りたい者がいる。

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