初めて少年と対峙した時、彼が怯えもしなかったことにひどく驚いた。
「だって俺、化け物だもん」
化け物は自分のはずで、この子供はただの入れ物だと認識している者はほんの僅からしい。
もっとも狂人が狂ってることを認識しないのと同じで、自分のことを化け物だと思ったことは一度もない。
「里を救ったのは誰だと思ってる?」
戯れにそう聞いてみた。
里の大人に聞けば、必ず四代目と答えが返ってくるその質問を。
少年は少しの間考えて込むように黙った。
そして自分に指をさし。
「俺?」
「……可愛くない子供だな」
第一対面にて。
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