クナイを手にする。
大人用のそれは、ナルトにとって少しばかり大きい。
それをテマリに持たせて、自分の喉笛を指して言う。
「俺を殺してくれる?」
テマリはため息ともつかないような息を吐く。
「いきなり何を言うかと思えば」
「いきなりじゃないってば。物心ついた時からずっと悩んでいたんだ」
「どこまでも我愛羅と対象にある奴だな。同じ化け物なのにこの差はなんだ?」
化け物という言葉が、なぜだかそんなに不快ではなかった。
それはきっとテマリが化け物という言葉を理解していて、器である二人には本気で言っていないからだろう。
ナルトは少しだけ笑うと手を離した。
テマリはそれを手にしたまま。
化け物と呼ばれた少年と、彼と似た少年を弟に持つ少女と。
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